2024年2月11日
こころの金継ぎ師 アドラーカウンセラーのMorley です。
このところ、「ヤングケアラー」について、行政の支援がまだまだ行き届いていないことが社会問題として着目されています。
*ヤングケアラー((家族のケアをするために、家事や家族の世話などを日常的にする子どもたちを指す)
今日は、「ビジネスケアラー」について。
ビジネスケアラーとは、仕事をしながら介護をする人たちのことです。家族介護の約40%がビジネスケアラーだと言われています。私自身はビジネスケアラーの一人ということになります。
私の出身は広島県三次市・・・広島の県北部の田舎で生まれました。
現在、父は広島のサ・高住でお世話になっています。広島に出てきてもう、14年近くになります。母が亡くなりもうすぐ4年になります。
母が首骨折で死んでいても不思議ではないと言われた事故。母の入院当時の父は、まるで抜け殻のように呆然としていたことを覚えています。私はというと、仕事も出張続き、手術の日もなんとか合わせてもらう状況。長い入院生活から退院して、母の介護は始まりました。(車椅子が必要な要介護2)当時は父が母の介護をしていました。
そんなとき、周囲から言われたのは、「なんで 仕事を辞めて親をみないんだ。自分のことばかり考えて親不孝なんじゃない」という厳しい声でした。他人の家の事情も分かろうともせず、浴びせられる言葉は正直辛かったです。
仕事を辞めて帰ることも考えたけれど、離婚して独り身の自分はこれからの人生を何で生計を立てていくのか!?
仕事を辞めないにせよ、田舎から通うという選択もあったかも。ただ県外を含めてあちこち移動の生活で、夜テキスト作りやレポート添削をする状況で田舎で暮らすのは難しかった。
その4年後、父の足の骨折がきっかけになり、父から「もう自分がみるには限界のように思う」と相談があり、田舎からでて私の近くのサ高住で暮らすことを決断しました。
その当時、中国人事院さんなどで働く人たちのキャリア教育が先行して実施されていました。公務員のみなさんは男女同じ環境で働く状況。キャリアは、JOBとWork両方から考えていただくのですが、導入時の管理職研修である男性が「なんでプライベートなことを、仕事の研修で考えなきゃいけないんだ!!」と怒りだしたことがありました。
一方で、女性たちの半数近くから「男女関係ない仕事ですが、帰ると家事や子どもの世話、そして親の介護の心配も出始めている。これから仕事を続けるべきか・・・」という話もたくさん出てきました。
今、組織で働く皆さんに限らず、誰にとっても親との課題は切実です。何年経ってもこの状況は変わりないようです。実際、双方の親の介護のために別居してみている方もいますし、仕事を辞めてみている方もいます。いろんなパターンがあります。
働いていようが、いまいが(もっというなら、専業主婦だからではなく専業主婦という仕事をしているんだと私は考えます)老いていく親とどう関わっていくかは、誰もが通る道でもあり「これこそ正解だ!」はないように考えます。
アドラーは心理学では、あらゆる人生の課題は、対人関係に集約され、それはわずかに3つに分類される考えます。「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」これらをライフタスクと言います。これらは避けては通れない。(*現代アドラー心理学では、この3つに「セルフ(自己)」「スピリチュアル」も加えた5つのライフスタイルがあると考えます)
「仕事」は必ずしも会社に言って働くという捉え方ではなく、生産活動としての取り組みで、例えば学生ならば学業、家庭の主婦なら家事や育児が「仕事のタスク」になります。
では、「介護」は何のタスクなのか? 上記で考えると介護は「仕事のタスク」と言えるのではないでしょうか? それを親子だから・・・子どもだから・・・と「愛のタスク」とごちゃ混ぜにするから大変になり苦しむことになります。
多くの人が、親子だから愛のタスクだと考えています。当時の私もそうでした。施設に入居するまでの母は、何よりデイサービスに行くことも頑なに拒んでいたし・・・。そうなると、愛のタスクで自分の親だから・・・自分が何とかしなきゃと追い詰められていくことも多いようです。
「介護」は「仕事のタスク」なんです。介護について仕事としての技術も知識もない自分が親の介護をするよりも、介護を本職にするプロの手を借りて親をサポートすることができたら、お互いを尊重し合いながら幸せな日々を過ごせそうです。
一旦、仕事のタスクで考えてみて、お互いの生活にとって長く共に幸せであるために、今、自分にできることは何か? できないことはどうすれば可能になるか?
一旦、課題の分離を使って考えてみる。そこから始めることができたらいいですね。
老いていく親との話は、ネタに事欠かないぐらいたくさんあります。それはおいおいに。
一つ、これだけは言える。私は特に母との関係で何度もアドラー心理学に救われました。
ちょうど祭日の今日は、父と焼肉ランチに行っていました。互いの生活の状況も話し合いながら、できるだけ笑顔でいてくれること、自分も穏やかに一緒に過ごせる努力はしています。もう何年も一緒に過ごせる時間があるわけではないですから。
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Morleyでした。
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